EndNote と Word のアドイン連動

2023 年 12 月 9 日 改訂
EndNote は論文作成に際して引用文献リストを効率よく作成するソフトウェアです.ここでは,EndNote を Word とアドイン連動させて,論文に引用リストを作成する方法を紹介します.アドイン連動することで,例えば Word ファイルに作成した文章中で文献を番号で引用する場合に,自動的に番号が振られるうえに,ファイルの最後に文献リストが作成されます.

EndNote と Word のアドイン連動を,マニュアル本やグーグル検索で学ぶのは困難だと思います.おそらく両者が連携してバージョンアップしている訳ではないため,適切な解説書は作りにくいのでしょう.いくつか基本的なことがわかると,あとは自然に仕組みがわかってきます

問い合わせ: 技術的な質問に対する EndNote の電話対応はすばらしいです.他社のサービスとは比較にならないほど的確かつ迅速な対応なので,少なくとも文献管理に関しては他のソフトウェアへの興味がなくなりました.

アドイン連動させるには,あらかじめ EndNote を立ち上げておいたほうが Word 上の操作がやりやすいです.なお EndNote に文献リストを作成する方法 (例えば,こちらを参照してください) はそれほど難しくないので,ここでは省略します.


マニュアル
正規ユーザマニュアル: ユーザ専用ページ > シリアル番号登録,各種ダウンロード を選択してください.一番下から,操作ガイドがダウンロードできるはずです.初級と中級の二冊からなります.

FAQ: シリアル番号などがわからない場合も,こちらから解決案を探すことができます.


気づいた点

Reference 一覧でタイトルの一部をイタリックにする: EndNote のレコード内部で手動でイタリックにします.

Reference 一覧でタイトルのキャピタライズをはずす: PubMed などデータベースから文献情報をダウンロードしても,論文によってはタイトルの単語すべてがキャピタライズ (最初の文字が大文字になっている) されていることがあります.これも上と同様,手動で小文字にする他ないようです.



アドインツールバーを表示させる

Word のメニューから,ツール > EndNote X7 がなくなっていることがあります.ツールバーに EndNote を表示させるには,Word を Quit した後,EndNote の

EndNote X7 > Custemizer ...

に行きます.Component Seletction で Cite While You Wirte のみにチェックを入れて,Next を押します.あとは特別な操作をしないで進みます.EndNote が自動的に PC にインストールされた Word のアプリケーションを探して認識してくれるようです.

通常は上記の操作で Word のツールに EndNote メニューが出てきます.出ない場合は,ツール > テンプレートとアドイン... から EndNote Cwyw Commands.dotm をチェックして OK を押してください.

くわしくはこちらを参照してください.いろいろやってもうまく行かない場合は,MS Word の完全削除を試した方が良いかもしれません.こちらを参照してください.




デスクトップ版とウェブ版の切り替え

Word と連携されている EndNote を、デスクトップ版とウェブ版のどちらかに切り替えるには、Preference から操作します。詳しくはこちらを参照してください。

私はデスクトップ版を利用しているのですが、数年ぶりに Word と連携したところ、知らないうちにウェブ版になっていました。機種の乗り換えや word の更新を行った時に、ウェブ版になったのでしょう。ウェブ版が連携されている場合は、上図 EndNote の表示で見分けるそうです。あるいは、ウェブ版になっていると、ある操作でログインを求められます (2023 年 12 月)。

 

Word のデフォルトフォント

まずは Word の

書式 > フォント

で,Word で使われるデフォルトのフォントを標準,Times New Roman など,一般的なものを選んでおいた方が良いです.




ツールバーの表示



Word に Endnote の引用を入れる
ドラッグ & ドロップです.Word ファイルの最後に自動的にリストが作成されます.
 コピー&ペーストでも良いみたいですが,文章中の引用のフォントがおかしくなることがあります.



Word ファイルを再度読み込ませる (Update)

Word ファイルを操作しているとき,ツール > Endonote X6 からさまざまな操作を行っても,Word ファイルに操作が反映されるまで時間がかかります.そのようなとき,Word の EndNote X6 > Update Citations and Bibliography を選んで,画面を再読み込みさせましょう.ショートカットを設定するには,すぐ下のコラムを参照してください.




ショートカット

EndNote X6

ツール > EndNote X6 > Cite While You Write Preferences...

から Keyboard タブを選ぶと,設定できます.最後に Assign を押すのを忘れないでください (2014 年 3 月).

EndNote X4

Tools > Cite While You Write

にショートカットが書かれているそうです (M.M. さん,ありがとうございます).





文章中の引用を {Xxx, 1973 #2829} の形にする

Word の

ツール > Endoteno X6 > Convert to Unformatted Citations

を選ぶことで,本文中の引用を標記のようにスクリプト的に表示することができます.{} の内部を Word 上で操作することで,引用文献の順序を変更する等できて,便利です.もう一度 Convert to ... を選ぶことで,もとに戻すことができます.
  Convert to Plain Text を行う場合は,一度 Update Citations and Bibliography を選んでもとに戻す必要があります.




文章中の引用に e.g. などを挿入する
EndNote を用いた設定
下の図左上で,青くマークされている引用の方法です.引用文献の番号の左に,e.g. や ref などを入れる場合,EndNote で設定を行う必要があります.文献番号を選択して,右クリックすると,以下の画面が出てきます.
(=> 以下にバックスラッシュを用いた方法を紹介しています.こちらの方が便利かもしれません)




バックスラッシュを用いた設定
文献の前に何かコメントを入れる便利な方法を M.M さんから教えていただきました.
  例えばコピー&ペーストで EndNote から {Inoue, 2000 #76} を挿入した後,下の例のように,入れたいコメントをバックスラッシュ (ここでは円マークになっています) の前に入れます.

{e.g., Japanese sardine, \Inoue, 2000 #76}

フォーマットを行うと,

(e.g., Japanese sardine, Inoue et al. 2000)

のようにコメントも原稿に記述されます.この方法を用いると,EndNote に登録しなくても,どんなコメントでも入れられるそうです (2014 年 3 月).


文章中の引用を Berthelot, et al. (4) の形にする

文章中の引用に著者名を書きたい場合は,Word ファイル中で変更したい引用文献を control+クリックで選択します.その後,

Edit Citations (s) > Display as : Author (Year)

を選びます.




バックアップ
EndNote のバックアップを作成するには,.Data ディレクトリと .enl ファイルの両方のバックアップを作る必要があります.



本文中の引用からリストへのジャンプを切る

Word の本文中にある文献引用をクリックすると,ファイル最後に作成されたリストに飛んでしまい,作業がやりにくいです.Word の

ツール > EndNote X6 > Bibliography Settings...

にある Link in-text を切っておきましょう.




Style を反映させる
EndNote で引用文献の Style を調節しても,Word で Style が選ばれないと反映されません.Word のツール > Bibliography Settings... から変更した Style を選んでください.ポップアップに出てこない場合は,Browse を押してファイルを選んでください.



Style をダウンロードして適用する
こちらからダウンロードしてください./Applications/EndNote X7/Styles に保存します.



引用リストのフォーマットを変更する
ジャーナル名を省略形に統一表示する.

PubMed で省略形を調べます.その後 EndNote で以下 A〜C の手順を行ってください.


A. EndNote が認識している省略形リストを入れ替える.
こちらを参照しました.詳しくは,MacX16 初級操作ガイド.pdf の P112 を参照して下さい.



B. 新しい省略形を入れる.
MacX16 初級操作ガイド.pdf の P116 を参照して下さい.


C. ジャーナル別のスタイルで Abbreviation を選択する.
MacX6 (ダウンロード後 enMac16Upg というディレクトリになる)中級操作ガイド.pdf の P46, 50を参照して下さい.



文献リストのフォントを変更する
Word の ツール > EndNote X6 > Bibliography Settings... にある format Bibliographyで変更します.フォントとサイズは変更できましたが,どうも Bold がなおらなかったので下のリニューアルを行ったら,Bold が消えました.行間の変更はできないそうなので,投稿直前に Endnote と Word の連動を切ったあとで,Word で調節する必要があるそうです.



N ダッシュを M ダッシュに変更する
文献リストのページ番号表示に使うダッシュを,M ダッシュに変更します.
  Edit>Find and Replace を選びます.Pages で変更エリアを選択しておき,Match Words (完全一致) は外します.Mac の場合 M ダッシュはオプション+「-」です.
 この操作を行うと後戻りできないので,あらかじめバックアップを作成してから操作を行ってください.
リニューアルする
リニューアル
同じ Word ファイルを長い間使っていると,知らないうちにおかしな機能がついて,ENDNOTE とのアドイン連動がうまくいかなくなります.このようなときは,新しい Word ファイルに文献リスト以外の本文をコピー&ペーストして,Update Citations and Bibloigraphy すると良いです.
Format Bibliography を Numbered にする
おかしな動きを確かめるためには,Format Bibliography を Numbered にすると良いです.ない場合は,Browse から探してください.Browse を押した後で,n とタイプすると,Numbered 付近に飛びます.Word の ツール > EndNote X6 > Bibliography Settings です.



Endnote と Word のアドイン連動を切る-1

論文を投稿するときは,ENDNOTE と Word の連動を切って,微妙なフォーマットを調節します. また,共著者に論文を渡すときも,連動を切った Word ファイルを渡した方が良いそうです.変更されてきたコメント等は,自分の手元にある Word ファイルを自ら変更してアップデートした方が,無用なエラーを防げるそうです.

ツール > EndNoteX6 > Convert to Plain Text

ただし,一度アドイン連動を切ってしまうと,復活させることはできません.もう一度 Word 内部で文献リストを作り直す必要があります.このため,古いバージョンのファイルはバックアップとして保存した方が良いです.




Endnote と Word のアドイン連動を切る-2

以下の「ツール > Endnote X5」の表示を切ることもできます.次の図にあるように,「ツール > テンプレートとアドイン...」を選んで,Endnote CWYW ... のチェックを外します.ここでは 2 つ外します.

ただ,私の Mac ではその後ファイルを保存しようとすると,Word が予期せず終了になってしまい,うまくできませんでした.

Word と Endnote のアドイン連動を完全に切りたかった理由は,アドイン連動していると Word の漢字変換がおかしいためです.Endnote の対応係によると,この症状は多く報告されているようです.改善したい場合は当社に電話して相談した方がよいです.以前私はこの方法で改善されたのですが,今回はあきらめました (2014 年 7 月).


EndNote ウェブアカウントとの同期 (Sync) 方法
インターネット上にライブラリをひとつ持つことができます.このため,自分で作成した最新の文献ライブラリを複数のコンピュータで利用することができます.

設定方法はこちらをご覧ください.Endnote オンラインはこちらを参照してください.

注意:複数の PC でライブラリを使うと,Record Number が保存されない可能性があるそうです.サービスセンターに電話で聞きました.私はプリントアウトに Record Number を書いているので,Endnote オンラインは向いていないそうです.このような場合は,USB メモリを用いて物理的にコピーする必要があると言われました.そのうち Record Number も改善される可能性があるそうです (2016 年 2 月).


リンク

操作方法説明の動画

ユサコ社が作成している動画集.英語.